
警察庁の最新発表により、2026年上半期におけるインターネットを悪用した詐欺の被害額が1755億円に達し、過去最多を更新したことが明らかになりました。前年同期比で約500億円の急増となっており、個人だけでなく「企業」を直接標的にした巧妙な攻撃手法が全体を押し上げています。
組織を守るために知っておくべき最新のサイバー被害の実態と、新手口の具体的な流れを解説します。
2026年上半期 サイバー犯罪被害の要点
- ネット詐欺全体被害額:1755億円(前年同期より約500億円増加・過去最多)
- 「ニセ社長詐欺」被害:127件/被害額 約38億8000万円
- 「ランサムウェア」被害:123件(半期ベースで過去最多)
1. 急拡大する新手口「ニセ社長詐欺」とは?
2026年に入り被害が相次いでいるのが、企業の経営層になりすまして資金を騙し取る「ニセ社長詐欺」です。従来のフィッシング詐欺とは異なり、企業の業務プロセスに巧妙に入り込むのが特徴です。
主な手口の流れ
- 公開メールアドレスへの接触:Webサイトなどに記載された法人用メールアドレス宛に、社長や役員を装う偽メールが届く。
- SNSグループの作成指示:新しいプロジェクトや緊急案件を装い、「社内関係者を交えたSNSグループチャットを作れ」と指示が出る。 埼玉県警察
- 事業資金の送金要求:「至急必要な事業資金がある」「非公開の案件のため至急指定口座へ振り込んでほしい」などと騙し、送金を実行させる。
公開情報から社内の役職や組織構成を把握した上でアプローチしてくるため、担当者が疑いにくく、一回あたりの被害金額が巨額化しやすい傾向にあります。
2. 猛威を振るう「ランサムウェア」の脅威
企業システムに侵入してデータを暗号化し、復元と引き換えに金銭(身代金)を要求する「ランサムウェア」の被害も止まりません。2026年上半期は123件が確認され、半期としての件数は過去最多を記録しました。
大手企業だけでなく、セキュリティ対策の手薄な中小企業や関連子会社が「侵入の糸口」として狙われるケースが常態化しており、サプライチェーン全体でのリスクが高まっています。
企業が今すぐ講じるべき防犯対策
- 送金プロセスの多層化・ダブルチェック:メールやSNS上の指示だけで即座に送金を行わない運用ルールを徹底する(必ず電話や対面での直接確認を挟む)。
- 社内コミュニケーションツールの制限:業務連絡に未承認の個人用SNSや社外チャットを利用させないガイドラインの整備。
- セキュリティ教育の実施:公開アドレス宛に来る経営層名義の連絡への警戒感を全社で共有する。
- バックアップとアクセス権限の見直し:ランサムウェア対策として、データの定期バックアップ(オフライン保管含む)と不要なアクセス権限の削除を行う。
サイバー攻撃の手口は「個人のうっかり」を狙うものから、「組織の隙」を突くビジネスメール詐欺や身代金型攻撃へと完全にシフトしています。自社の運用プロセスを見直し、疑わしい連絡には「直接確認」を入れる習慣を組織全体で徹底していきましょう。
Let’s redoing!
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