
先月、JAの直営店で目にしたポスターが気になっていた。「茶碗一杯のご飯=50円」「食パン1枚=35円」——この数字は、もはや「過去のもの」になってしまったようだ。今日のニュースでは「ご飯50円、食パン35円」と報じられ、ついに主食の価格逆転が現実のものとなった。これは単なる価格問題ではない。日本の農業政策の行き詰まりと、国民の食卓の危機を象徴する事件だと私は考える。
■「米が安い」はもう昔の話
JAのポスターがいつ張られたかは定かではないが、米価はここ数年で確実に上昇している。農水省のデータを見れば、生産コストの増加(肥料・燃料高など)や減反政策の影響が如実に表れている。一方で、輸入小麦を原料とする食パンは、為替や国際相場の下落により価格が安定。6枚切り35円のパン(1斤210円)ですら、実際はスーパーでは150円前後で販売されており、米との差はさらに開いている。
「米の値上がり」の背景には、
- 肥料・燃料費の高騰
- 労働力不足による生産コスト増
- 減反政策による供給調整の行き詰まり
といった構造的問題が横たわる。一方で、「パンの安さ」の背景には、 - 輸入小麦価格の下落(政府売り渡し価格の調整)
- 大量生産によるコスト削減
がある。この差は、国内農業の脆弱性を浮き彫りにしている。
■農水省の無策が招いた「主食の価格逆転」
問題は「価格が逆転したこと」自体ではない。この事態を予測できながら、有効な手を打てていない農水省の責任だ。米政策は長年、減反や補助金に依存し、生産者の高齢化や耕作放棄地の増加に歯止めをかけられていない。さらに、輸入農産物への依存度が高い食料安全保障の危うさも露呈した。
「食パンが米より安い」という現実は、
- 国内農業の競争力低下
- 食料自給率37%(カロリーベース)という危機的状況
- 政策の失敗を国民が「価格」で払わされている事実
を如実に示している。
■これは「謝罪会見」レベルの問題だ
農水省はこの事態を重大な政策失敗と認め、国民に説明すべきである。なぜ米価がここまで上がったのか、なぜ生産者も消費者も苦しむ構造を放置したのか——。「食」は生命線だ。価格高騰は低所得層から「ご飯を食べる権利」を奪いかねない。メディアも連日トップで報じ、政府に迫るべき問題である。
■私たちにできること
消費者としてのアクションも必要だ。
- 地元の米を選ぶ(流通コスト削減)
- 農業政策に関心を持つ(選挙での争点化)
- 食品ロスを減らす(需要と供給の適正化)
「米よりパンが安い日本」は、もはや農業政策の転換点に来ている。このままでは、私たちの子供の世代は「国産米は高級品」という時代を迎えるかもしれない。
(終わりに)
「あなたは今日、ご飯を何杯食べましたか? その値段を考えたことはありますか?」——食卓から見える日本の未来を、いまこそ議論すべき時です。
Let’s redoing!
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