
また投資の誘いが届いた。以前から関わっている会社の新しいプロジェクトが始まるらしく、声をかけてもらえた。以前ならワクワクしただろうが、今は複雑な気持ちでメールを読み終えた。
「1万ドルからでもいいですよ」
その言葉に、ふと去年の自分と今の自分を比較してしまった。たった1年で、1万ドルの価値がこんなにも変わってしまったのだ。 昨年なら躊躇せずに出せた金額が、今は「大金」に感じられる。それだけ、お金への感覚が変わってしまった。
詐欺被害が残したもの
昨年起きた詐欺事件は、私にとって単なる「失敗」では済まされない痛みを残した。お金を失った以上に、人を信じる勇気や投資への前向きな気持ちまで奪われてしまった。それ以来、大きなお金の動きには家族の許可が必要になった。
今回も正直に話してみたが、さすがに賛同は得られなかった。
「また騙されるかもしれないでしょ?」
「今は無理するときじゃないよ」
確かにその通りだ。詐欺に遭ってからというもの、家族は私にとって最大のブレーキになってくれた。時には「もっと挑戦させてくれよ」とイラつくこともあるが、彼らの慎重さが私を守ってくれているのだと思うと、心から感謝せずにはいられない。
信用と資金、どちらもない現実
投資には「信用」と「資金」の両方が必要だ。詐欺に遭ったことで、私の信用は大きく傷ついた。家族の信頼も、完全には回復していない。そして何より、資金的な余裕がなくなったことが大きい。
以前は「1万ドルくらいなら……」と軽く考えていたが、今はそれが家計に与える影響を真剣に考える。子どもの教育費、生活費、万一の時の貯金──考えれば考えるほど、手が出せない。
家族のブレーキは「心の安全装置」
最初は家族の反対に納得いかなかった。でも、ふと考えてみると、彼らは私のことを本当に心配してくれているのだ。
「また失敗したらどうするの?」
「私たちの生活が困らない?」
そういう声は、一見ネガティブに聞こえるが、実は私の行動を冷静に見てくれる「安全装置」のようなものだ。自分一人なら勢いで決めてしまうことも、家族がいると「ちょっと待て」とブレーキをかけられる。
今は「待つとき」なのかもしれない
投資の世界には「チャンスはまた来る」という言葉がある。確かに、今この誘いを断ったとしても、また機会は巡ってくるだろう。それよりも、今は自分と家族の信頼関係を修復し、資金的な基盤を作る時期なのかもしれない。
詐欺に遭ったことで、私は多くのことを学んだ。
・お金の重み
・信用の大切さ
・家族の存在のありがたみ
今回の誘いを断ることは、一見「損」のように感じるかもしれない。でも、長い目で見れば、これも必要なステップなのだと思う。
感謝を忘れずに進む
最終的に、私はこの投資の話をお断りすることにした。でも、その決断には後悔がない。なぜなら、家族がいてくれたからこそ、冷静に判断できたからだ。
「お金」よりも「信用」、
「利益」よりも「家族の安心」。
詐欺に遭って初めて、本当に大切なものが見えた気がする。これからも家族の声に耳を傾けながら、一歩ずつ進んでいこうと思う。
「待つ勇気」も、時には必要な投資なのかもしれない。
Let’s redoing!
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