
長崎県内で発生している特殊詐欺の被害総額が、今年9月末時点で約26億2800万円に上り、過去最悪だった昨年の年間額をすでに更新してしまいました。
特に猛威を振るっているのが、警察官や検事をかたって現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」の手口です。全体の約3割(約7億8000万円・82件)を占めており、誰もがターゲットになり得る深刻な状況が続いています。
今回は、実際に今年5月に約2500万円の被害に遭われた長崎市内の50代男性の体験談を通して、その巧妙な手口と対策について考えます。
手口を知っていても騙される理由。「いざ当事者になると…」
被害に遭った50代の男性は、普段からニュースなどで「ニセ警察」の手口を知っていたそうです。それでも詐欺に気づけなかった理由について、男性は「いざ当事者になると気が動転した」と語っています。
男性の元に届いた詐欺の手順は、次のようなものでした。
巧妙すぎる詐欺のステップ
- 最初の電話:クレカ会社の社員を名乗る男
- 「個人情報が流出し、カードが不正契約されている」と伝えられる。
- 警察役へ転送:「八王子署の松居」を名乗る男
- 「マネーロンダリングに悪用されており、あなたにも疑いがかかっている」と脅される。
- 男性が地元の警察に相談しようとすると「捜査情報を漏らさないため」と止められ、完全に孤立させられる。
- 通信アプリでの指示と振り込み
- 通信アプリ「Signal(シグナル)」で「資産調査」と称して200万円を指定口座に振り込ませる。
- 検事役の登場と暗号資産の購入
- 「検事の原」を名乗る男が紹介され、LINEやビデオ通話の画面共有機能を使って指示。
- 暗号資産(仮想通貨)約2300万円分を購入させられ、指定のアプリへ送金させられる。
- 音信不通と資産の喪失
- 連絡が途絶え、警察に相談したときにはアプリのID・PWが抜き取られ、資産はゼロに。
男性は「松居」とのやり取りに怪しさを微塵も感じず、指示もスムーズだったため、「疑う気持ちは全くなかった」と肩を落とします。だまし取られた2500万円の大半は、亡くなったご両親やお兄様たちの遺産でした。
なぜ人は心理的に支配されてしまうのか?
県警生活安全企画課によると、この手口の恐ろしさは「本人を周囲から孤立させ、焦りや不安といった感情をコントロールしてくる点」にあります。
- 「あなたにも容疑がかかっている」と不安を煽る
- 「秘密裏に捜査を進める必要があるため、誰にも話すな」と相談相手を奪う
- ビデオ通話の画面共有などを使い、操作に迷う隙を与えない
このように完全に相手の支配下に置かれてしまうため、冷静な判断ができなくなってしまうのです。
被害に遭わないための絶対ルール
警察や公的機関が以下のような対応をとることは絶対にありません。
- ❌ 警察や検察が電話やアプリで金銭の振り込みを要求すること
- ❌ 暗号資産(仮想通貨)を購入させて送金させること
- ❌ 「他人に話すな」「地元の警察に相談するな」と口止めすること
万が一、怪しい電話がかかってきたら?
電話口で「警察」「カード会社」「検察」などの言葉が出てお金の話になったら、一度電話を切り、必ず家族や周囲の人、または最寄りの警察署・警察相談専用電話(#9110)へ相談してください。
「自分は大丈夫」という思い込みを捨て、少しでも違和感を覚えたら一人で抱え込まないことが大切です。
Let’s redoing!
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