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先日、四街道市で起きた電話de詐欺事件のニュースに、多くの方が複雑な思いを抱かれたのではないでしょうか。

89歳の高齢女性からキャッシュカードと通帳をだまし取り、50万円を引き出したとして逮捕されたのは、なんと「住所不定の19歳男子高校生」。この見出しだけでも、いくつもの疑問が湧いてきます。

「高校生なのに19歳?」
「高校生なのに住所不定?」

この矛盾点こそ、事件の背景にある深い社会問題を物語っているように思えてなりません。

見過ごされてきた「高校生」の実態

通常、高校生は18歳で卒業します。19歳で高校生ということは、留年や何らかの事情で通常の進路から外れてしまった可能性があります。さらに「住所不定」という表現は、家庭環境に問題があったり、社会的なセーフティネットからこぼれ落ちてしまっていたりすることを示唆しています。

この少年は、単なる「悪質な詐欺犯」というレッテル貼りだけで済ませられる存在なのでしょうか。

増え続ける「出し子」「受け子」の実態

警察によると、この少年は電話de詐欺の「出し子」(現金を受け取る役)と「受け子」(現金を引き出す役)の両方を担っていたとみられています。これは特殊なことではなく、組織的な詐欺グループが、リスクの高い役割を少年たちに押し付けるケースが増えています。

少年たちはなぜ、こんな危険な役割を引き受けてしまうのでしょうか。

  • 経済的困窮:明日の食事にも困るような状況
  • 居場所のなさ:家庭にも学校にも居場所がない
  • 将来への絶望感:正規の雇用への道が閉ざされている
  • 甘い言葉での勧誘:「簡単に稼げる」という誘い文句

私たちにできること~被害者を二重に生まない社会へ

この事件には、89歳の女性という明らかな被害者がいます。その被害に対する怒りは当然です。しかし同時に、社会のセーフティネットからこぼれ落ち、犯罪組織に利用されてしまった少年も、別の意味での「被害者」と言えないでしょうか。

私たちにできることは何でしょうか?

  1. 「おかしい」に気づく感度を高める
    地域に「住所不定の高校生」がいないか。困っている若者はいないか。気にかける目を持つことが第一歩です。
  2. 青少年の居場所づくりを支援する
    子ども食堂や学習支援、若者向けの相談窓口など、セーフティネットとなる団体を地域で支えることも重要です。
  3. 高齢者への防犯啓発と見守り
    一方で、高齢者を守る取り組みも強化しなければなりません。地域の見守り活動や、詐欺の手口に関する情報共有を活発化させる必要があります。

最後に

この事件は、単に「悪い少年が逮捕された」という話では終わらせてはいけないと思います。19歳で高校生でありながら住所不定という状況自体が、彼のSOSだったのではないでしょうか。

私たち社会は、そのSOSに気づけなかったのかもしれません。被害に遭われた高齢者の方への支援と同時に、なぜ少年がそんな状況に追い込まれてしまったのか、その背景にも目を向ける必要があります。

誰もが取り残されず、犯罪に巻き込まれることなく生きていける社会をどう築いていくかーこの事件は、その重い問いを私たちに投げかけているように思えます。

Let’s redoing!

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