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「予約したのに現れない」――飲食店にとってはよくある迷惑行為。
しかし、いま韓国では、その“ノーショー(無断キャンセル)”が単なるマナー違反ではなく、組織的な詐欺犯罪として急速に拡大しています。

2025年に入り、韓国国内で報告された「ノーショー詐欺」の件数は**4500件を超え、被害総額は約82億円(737億ウォン)**に達したといいます。
これは、韓国国会のホ・ヨン議員(共に民主党)が警察庁から提出を受けた資料によって明らかになったものです。


■ 公共機関を装う巧妙な手口

「ノーショー詐欺」とは、軍部隊・警備機関・政党などの公的機関を装い、団体予約を装って飲食店や小規模事業者をだます手口です。

たとえば、

「明日、軍部隊の行事で50人分の昼食をお願いしたい」
「党の集まりで弁当を100個注文したい」

といった電話やメッセージで予約を入れ、信頼させた上で、
「参加者が事前に個別で代金を振り込むことになった」として、店側に個別支払い用の口座を指定して振込を促します。

ところが、実際にはその口座は詐欺グループのもの。
代金を振り込んだ店主や個人事業者には、当然、入金はなく、連絡も途絶える。
結果、材料を仕入れて準備した食品の損失と、本来受けられたはずの他の注文機会の損失という、二重のダメージを負ってしまうのです。


■ 犯罪組織は海外拠点、狙われたのは「小さな店」

韓国・江原道(カンウォン)の警察によると、検挙されたノーショー詐欺グループの一部はカンボジアなど海外に拠点を置く組織的犯罪集団だったとのこと。
被害者の多くは、日々の売り上げが生活に直結する小規模飲食店や零細事業者です。

ホ・ヨン議員は次のように警鐘を鳴らしました。

「こうした詐欺は単なる金銭犯罪ではなく、社会全体の信頼を破壊する行為だ。
警察は恒常的な取り締まり体制を構築し、被害救済と事前防止策を早急に整備すべきだ。」

被害総額82億円という数字の背後には、「生活を支える現場の人々」の苦しみがあります。
まじめに仕事をしてきた小さな店が、悪質な詐欺によって一夜で経営危機に陥るケースもあるのです。


■ 日本も「対岸の火事」ではない

こうしたニュースを聞くと、「韓国の話でしょ?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、日本でも同様の詐欺が流行する可能性は十分にあります。

なぜなら、

  • 日本でも無断キャンセルによる被害はすでに深刻である
  • LINEやSNSでの注文・予約が当たり前になり、なりすましが容易
  • 外国人犯罪グループが越境型詐欺を展開している
    といった現実があるからです。

しかも、「予約」や「発注」といった商取引の形をとるため、詐欺罪の立証が難しいという課題もあります。
被害を受けても「泣き寝入り」せざるを得ない事業者が多いのが実情です。


■ 法整備と「店の自衛」が必要だ

日本でも、こうした詐欺を未然に防ぐための法的整備業界全体の自衛策が急務です。

▽ 法制度面での課題

  • 偽名・匿名予約の禁止や本人確認の義務化
  • 電子商取引法の適用拡大(詐欺的予約を詐欺罪として明確に処罰)
  • 警察・行政・業界団体による情報共有体制の構築

▽ 店側ができる自衛策

  • 初回取引の団体予約では、必ず前金・デポジットを確認
  • 電話番号やメールアドレスの信頼性をチェック
  • 不審な予約内容(大量注文・急な依頼・公的機関を名乗るなど)は慎重に対応
  • 地域の商店会や警察署と連携し、不審事例を共有

「うちは小さな店だから大丈夫」と思っていても、標的にされるのはむしろ小さな店です。
誠実さや人の良さにつけ込む詐欺は、どの国にも、どの時代にも現れます。


■ おわりに

今回の「ノーショー詐欺」事件は、単なるニュースではなく、私たちに**“信頼社会の脆さ”**を突きつけています。
誰かの善意や誠実な商いを利用して金をだまし取る行為は、社会の根っこを腐らせるものです。

韓国で起きたこの犯罪は、決して対岸の火事ではありません。
日本でもいつ同じような詐欺が広がってもおかしくない時代です。

だからこそ、法による守りと、現場の知恵による自衛
この二つを両輪として、私たちは詐欺に強い社会をつくっていかなければならないのではないでしょうか。

Let’s redoing!

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