最近、韓国で「ロマンス詐欺」の新たな手口が社会問題となっています。特に有名俳優を名乗る「セレブ詐欺」が巧妙化しており、先日はNetflixシリーズ「イカゲーム」で一躍世界的なスターとなったイ・ジョンジェ（52）の名をかたった大規模な詐欺事件が発覚しました。
事務所が緊急警告「絶対にお金を送らないで」
イ・ジョンジェの所属事務所「ARTIST COMPANY」は11月22日、公式声明を通じて「最近、当社所属俳優の名前を悪用し、金品や金銭的利益を要求する事件が発生した」と明らかにしました。さらに「事務所はもちろん、アーティスト個人がどんな場合でも金品や振り込み、寄付などの経済的要求をすることは絶対にない」と強調し、ファンや一般市民に細心の注意を呼びかけました。
その手口とは？AI技術を駆使した巧妙な詐欺
この事件では、50代の女性が「イ・ジョンジェ」を名乗る人物から「ファンと直接コミュニケーションを取りたい」というメッセージを受け取ったことから始まりました。犯人はAIで生成したイ・ジョンジェの自撮り写真や偽造身分証明書を送信し、自分が本物であると信じ込ませた上で、さまざまな名目で総額5億ウォン（約5,000万円）をだまし取りました。
国際的な組織犯罪の可能性
慶尚南道警察庁の調査によると、この詐欺グループはカンボジアを拠点とする国際的な犯罪組織との関連が疑われています。これは単なる個人の犯行ではなく、組織化された国際的なネットワークが背景にあることを示しており、問題の深刻さを物語っています。
なぜ「セレブ詐欺」は成功するのか？
このような詐欺が後を絶たない背景には、次のような心理的要因が働いていると考えられます。
- 憧れの対象との「特別な関係」幻想
有名俳優から直接連絡が来たという事実だけで、対象者は特別な関係にあると思い込んでしまいます。 - 高度な技術を利用した信憑性の操作
AI生成画像や偽造文書など、技術の進歩が詐欺の成功率を高めています。 - 感情的な繋がりを利用した心理操作
親密な会話を重ねることで信頼関係を築き、その後で金銭的要求を行うという段階的な手口です。
被害に遭わないために
このような詐欺から身を守るためには：
- 有名人物を名乗る者から連絡があっても、すぐに本物だと信じない
- 金銭的な要求には絶対に応じない
- 不審な点があればすぐに警察や関係機関に相談する
- AI技術を使った偽物の画像や動画があることを認識しておく
最後に
イ・ジョンジェの事務所は声明で「アーティストと皆さんの安全のために強力に対応する」と表明しました。この問題はもはや個人レベルの注意喚起では防ぎきれず、社会的な対策が急務です。技術の進化とともに詐欺の手口も高度化している今、私たち一人ひとりが批判的な視点を持ち、情報の真偽を見極める力がこれまで以上に求められています。
「もしかして？」と思ったら、それはおそらく詐欺です。憧れのスターからの突然の連絡には、常に冷静な判断が必要です。
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