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最近、ふと「知足」という言葉が頭から離れない。先日起こった詐欺被害に遭ったとき、失った金額が「分不相応」だったからこそ、奪われたのかもしれないと思い至った。もしかすると、お金は多ければ多いほど良いものではない。そう気づかされた経験だった。

「足るを知る」という智慧

「知足」とは、老子の教えにある「足るを知る者は富む」という言葉に代表される思想だ。今あるものに感謝し、必要以上の欲望に振り回されない生き方を指す。現代社会では、常に「もっと、もっと」と求めがちだが、本当の豊かさは、自分が既に持っているものに気づくことから始まるのかもしれない。

私が詐欺に遭ったとき、失った金額は決して小さくなかった。しかし、その金額が「自分にとって本当に必要なものだったのか?」と問い直すと、必ずしもそうではなかった。むしろ、それを持っていたからこそ、かえって不安や執着が生まれ、結果的に騙されるきっかけになったように思う。

強欲の連鎖~「100万→1000万→1億」の欲望

以前、ある悪質な企業の経営者から直接聞いた言葉が今でも胸に刺さっている。
「人間の欲望はきりがない。100万円稼ぐと1000万円欲しくなり、1000万円稼ぐと1億円欲しくなる。それが人間の性(さが)だ」
彼はそれを自嘲気味に笑いながら話していたが、その言葉には、欲望の果てしない広がりに対するある種の諦観も含まれていた。

確かに、お金はある程度あれば安心できるが、それを追い求めすぎると、むしろ心の平安を失う。もっと稼がないと不安、もっと貯めないと危険……そう思えば思うほど、お金に振り回される人生になってしまう。

詐欺被害から学んだ「分相応」の大切さ

今回の詐欺で痛感したのは、「分不相応なお金は、かえって災いを招く」ということだ。
もしそのお金が自分にとって「余剰」ではなく、「必要な範囲」のものだったら、もっと慎重だったかもしれない。あるいは、そもそもそのような詐欺の誘いに乗らなかったかもしれない。

「分相応」という言葉には、「自分にふさわしい範囲」という意味がある。収入に見合った支出、能力に見合った野心、環境に見合った生活……それを超えるとき、人はバランスを崩し、時には大きな代償を払うことになる。

「足るを知る」ことで見える豊かさ

「足るを知る」ことは、現状に甘んじる消極的な考え方ではない。むしろ、今あるものに感謝し、本当に大切なものを見極める積極的な姿勢だ。

  • お金が増えても、心が満たされなければ意味がない。
  • 所有物が増えても、それに縛られるなら自由を失う。
  • 社会的な成功を収めても、孤独ならば虚しい。

今回の詐欺は、ある意味で「欲望の暴走」にブレーキをかけてくれた出来事だった。これからは、お金や物質的な豊かさだけでなく、心の充足感や人間関係、健康といった「数字に表れない豊かさ」を大切にしていきたい。

おわりに~「足るを知る」生き方へ

「知足」の心は、現代の忙しい社会では忘れがちな教えだ。しかし、ふとしたきっかけで、私たちはその大切さを思い出す。今回の詐欺被害は、私にとって「足るを知る」ことの重要性を再認識する機会となった。

もし今、何かに対して「もっと欲しい」と感じているなら、一度立ち止まってみよう。
「今のままで、本当に足りていないのか?」
その問いから、新しい気づきが生まれるかもしれない。

お金や物に振り回されるのではなく、自分らしい「足るを知る」生き方を模索していきたい。

Let’s redoing!

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