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先日、大きなニュースとなった楽天モバイルへの不正アクセス事件。他人名義のIDとパスワードを悪用し、通信回線を不正契約したとして、高校生を含む少年たちが次々と摘発されています。

新たに逮捕されたのは、長野県に住む16歳の高校2年生。彼は、およそ2000件ものIDとパスワードを入手し、それを他人に提供した疑いがもたれています。提供先は、横浜市の17歳の少年。17歳の少年は、指示を受けて楽天モバイルのシステムにログインし、他人名義の回線を次々と契約していったといいます。

驚くべきは、彼らがサイバー犯罪グループ「荒らし共栄圏」のメンバーだったということ。今回逮捕された16歳の少年は、グループのナンバー2という立場だったと報道されています。グループは、不正に契約した回線を暗号化メッセージアプリ「テレグラム」で1回線80ドルで転売し、約120万円の利益を得ていたとみられています。

取り調べに対し、16歳の少年は「知りません」と容疑を否認しているとのことですが、警視庁は、これらの回線が特殊詐欺など、より重大な犯罪に流用されていた可能性もあるとみて、捜査を進めています。

この事件は、単なるいたずらや軽い気持ちの犯罪ではなく、組織的かつ金銭目的の本格的なサイバー犯罪へと発展していることを示しています。

さらに憂慮すべきは、これが孤立した事件ではないという点です。楽天モバイルをめぐっては、ほかにも中学生や高校生が生成AIを活用して自作のプログラムで不正アクセスを試みた事件が発覚しており、総務省が行政指導を行う事態となっています。

十代の若者たちが、高度なIT知識やツールを悪用し、組織的に犯罪を行う──。これはもはや、従来の非行の枠組みを超えた、新しい深刻な社会問題です。

日本のサイバー犯罪対策は十分か?

これらの事件は、日本のサイバー犯罪対策におけるいくつかの課題を浮き彫りにしています。

  1. 教育の遅れ
    子どもたちは驚くべき速さでIT技術を習得します。しかし、その技術の「善悪」や「倫理」、そして「法的な責任」についての教育は、技術の進歩に追いついていません。プログラミング教育が進む一方で、デジタルシチズンシップ(デジタル社会における市民としての規範や責任) を教える教育は十分とは言えません。
  2. 取り締まりの難しさ
    サイバー空間は国境がなく、匿名性が高いため、犯人の特定や証拠の収集が困難です。特に暗号化されたアプリやダークウェブを利用した犯罪は、従来の警察の捜査手法では太刀打ちできない場合があります。
  3. 企業のセキュリティ対策
    サービスを提供する企業側にも、不断のセキュリティ強化が求められます。特に楽天モバイルのように、社会インフラとも言える通信サービスを扱う企業は、不正アクセスを防ぐための多要素認証の導入など、より堅牢な対策が不可欠です。

求められる対策とは

この問題を解決するには、単なる「取り締まりの強化」だけではなく、多角的なアプローチが必要です。

  • 教育の充実:学校現場で、ITリテラシーと併せて倫理観法的責任を教えるカリキュラムを強化すべきです。元ハッカーなど、実際の経験者を招いた特別授業など、インパクトのある啓発活動が有効かもしれません。
  • 家庭での対話:子どもがどんなオンラインサービスを利用し、どんなコミュニティに属しているのか、保護者がある程度理解し、インターネットの危険性について日常的に話し合う環境が重要です。
  • 産業界との連携:警察は、IT企業やセキュリティ企業と連携し、最新の技術を捜査に取り入れるとともに、企業側も不正アクセスを検知し、防止するための技術開発をさらに推進する必要があります。
  • 法整備:時代の変化に合わせて、新しい手口に対応できるよう、法制度の見直しも検討されるべきでしょう。

才能あふれる若者の技術が、社会を良くするための「創新」ではなく、社会を脅かす「犯罪」に使われてしまうのは、非常に残念なことです。

今回の事件を他人事と捉えず、社会全体で若者を正しく導き、そして我々の社会を守るためのサイバーセキュリティ対策について、改めて考えるきっかけにしなければなりません。

Let’s redoing!

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