
先日、JCBをはじめとする国内主要クレジットカード会社10社と日本クレジットカード協会(JCCA)が、合同で重要な注意喚着を始めたというニュースが報じられました。
今回の発表の背景には、過去最大となったクレジットカードの不正利用被害という深刻な現実があります。しかし同時に、私たち利用者が「ちょっとした意識」を持つだけで、多くの被害を未然に防げる可能性も示されているのです。
なぜ今? 10社が共同で動いた「過去最大の被害額」という衝撃
まずは、この注意喚起が始まった直接のきっかけを数字で見てみましょう。
2024年のクレジットカード不正利用被害額は、約555億円に上り、過去最大を記録しました。
555億円というと、なかなかピンと来ないかもしれませんが、これは私たち一人ひとりのカードが狙われ、実際に被害が出ていることを意味します。さらに驚くべきは、このうち約93%(実に500億円以上!)が「非対面取引」での被害だったことです。
「非対面取引」とは、具体的には以下のようなものです。
- オンラインショッピング
- アプリ決済
- サブスクリプションサービス の支払い
つまり、実店舗でカードを機械に通すのではなく、インターネット上でカード番号やセキュリティコードを入力する取引が、不正利用の温床となっているのです。
巧妙化する「フィッシング詐欺」の手口とは?
では、どのようにしてカード情報は盗まれるのでしょうか? その中心にあるのが「フィッシング詐欺」です。
フィッシング(Phishing)とは、「釣り(Fishing)」と「罠を仕掛ける」という意味をかけ合わせた造語で、偽のWebサイトやメールを使って、金融情報や個人情報を“釣り上げる”詐欺の手口です。
具体的な手口の例:
- 偽の「カード利用確認」メール:あなたの利用しているカード会社や銀行、有名通販サイトをかたり、「利用明細の確認が必要です」「アカウントに異常があります」などと緊急性をあおるメールが届きます。
- 本物そっくりの偽サイトへの誘導:そのメールの中のリンクをクリックすると、一見本物と見分けがつかないほど精巧に作られた偽のログインページや、カード情報入力ページに飛ばされます。
- 情報の詐取:そこでID・パスワードや、クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードを入力させられ、その情報が詐欺師の手に渡ってしまうのです。
この手口が「増加」し、「巧妙化」していることが、今回の注意喚起の最大の理由です。
業界を挙げての対策:何が始まったのか?
JCCAと10社(JCB、アメリカン・エキスプレス、イオン、ドコモ、セゾン、三井住友カード、三井住友トラストクラブ、三菱UFJニコス、UCカード、楽天カード)は、以下のような取り組みを始めました。
- 注意喚起メールの送信:会員に対して、フィッシング詐欺の危険性と見分け方を伝えるメールを送信します。
- 特設ページ・警告バナーの設置:各カード会社の公式会員サイトやアプリ内に、詐欺対策について詳しく解説したページや、目立つ警告バナーを設置します。
ここで最も重要な注意点:
発表では、「今回の注意喚起メールで、クレジットカード番号やパスワード、その他個人情報の入力を求めることはない」と明言されています。
これはつまり、「注意喚起を装った新たなフィッシングメール」が出回る可能性を業界自体が警戒し、事前にお知らせしているのです。この姿勢からも、事態の深刻さがうかがえます。
【今すぐ実践】あなたを守る5つのフィッシング詐欺対策
では、私たち利用者は具体的に何をすれば良いのでしょうか? 今日からできる5つの対策をご紹介します。
- 【基本中の基本】URL(リンク)を必ず確認する
- メールやSMSのリンクを安易にクリックしない。特に「緊急を装う」メールは要注意です。
- リンクにマウスを乗せると(タップせずに)、本当に飛ぶ先のURLが表示されます。公式ドメイン(例:
https://www.jcb.co.jp/)かどうかを必ず確認しましょう。
- 【絶対ルール】メールや電話でカード情報を聞いてこない
- カード会社や銀行が、メールや電話でカード番号やセキュリティコード、パスワードを聞いてくることは絶対にありません。このような連絡が来たら、それは100%詐欺だと思ってください。
- 【二段階認証を必ず設定する】
- カード会社の会員サイトや、オンライン決済サービスでは、可能な限り「二段階認証」を設定しましょう。パスワードだけでなく、スマホに送られてくる確認コードが必要になるため、たとえ情報が漏れても不正ログインされるリスクを大幅に下げられます。
- 【公式アプリ・ブックマークを利用する】
- カード会社のサイトにログインする時は、検索結果から行くのではなく、自分でブックマークした公式サイト、または公式アプリからアクセスする習慣をつけましょう。これで偽サイトに引っかかるリスクが激減します。
- 【明細はこまめにチェックする】
- アプリやWeb明細を定期的に確認し、身に覚えのない利用がないかチェックしましょう。少しでも怪しい取引があれば、すぐにカード会社に連絡してください。
まとめ:被害を防ぐ最大の武器は「私たちの意識」
過去最大の被害額に業界が危機感を強め、共同での注意喚起が始まりました。しかし、声明にもある通り、「日常的な注意によって被害を防げる場合も少なくない」のです。
フィッシング詐欺は、私たちの「ちょっとした油断」や「怖がらせられた時の焦り」を突いてきます。今回ご紹介した対策は、特別な知識や道具がなくても、今日からすぐに始められるものばかりです。
この記事が、あなたの大切な財産を守る一助となれば幸いです。ぜひ、ご家族やお友達にもこれらの対策をシェアして、みんなで被害を食い止めましょう。
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