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「カンボジアで高収入の仕事がある」。そんな甘い言葉に誘われ、気がつけば監禁され、あるいは行方不明に——。近年、韓国人を標的とした国際的な詐欺・誘拐事件が急増しており、隣国・韓国社会に大きな衝撃が走っています。韓国外務省が明らかにしたところによると、今年1月から8月の間にカンボジアで行方不明になったり、意思に反して拘束された韓国人は計330人に上ります。そのうち約80人は依然として安否が確認できておらず、家族や友人たちは不安な日々を過ごしています。

急増する被害~10倍、そして15倍へ

この問題の深刻さを物語るのが、被害件数の急激な増加です。2023年には約21件だったカンボジアでの韓国人誘拐・監禁被害は、昨年には10倍の221件に膨れ上がり、今年8月時点ではさらに15倍に達したと報告されています。これはもはや単発的な犯罪ではなく、組織的かつ大規模なビジネスとして確立されていることを示唆しています。

巧妙化する手口~「偽装求人」の罠

これらの犯罪グループは、どのようにして若者たちを罠にかけているのでしょうか。韓国政府によると、多くの場合「高給を約束する虚偽の求人情報」が使われています。特にSNSや闇サイトで拡散されるこれらの求人広告は、コールセンター職やIT関連業務、ホテルスタッフなど一見正当な職業を装い、「短期間で多額の収入が得られる」と謳います。

希望に胸を膨らませてカンボジアに渡航した若者たちは、空港に到着するなり身柄を拘束され、パスポートを取り上げられるケースが少なくありません。その後は犯罪組織の拠点に監禁され、他の国々での特殊詐欺の実行役として働かされるなど、強制労働を強いられるのです。

悲劇の結末~大学生死亡事件が突きつけた現実

事態の深刻さにさらに衝撃を与えたのが、カンボジアで韓国人大学生が地元の犯罪組織に誘拐・拷問され死亡した事件です。この悲報は韓国社会に「他人事ではない」という現実を突きつけ、政府に対策を強化するよう求める声が高まるきっかけとなりました。

政府の対応~李在明大統領が緊急声明

こうした状況を受けて、李在明(イ・ジェミョン)大統領は閣議で「カンボジアで相次ぐ誘拐事件が韓国人に深刻な被害をもたらしている」と表明。「政府は国民の安全を確保するため、利用可能なすべての手段を直ちに講じなければならない」と強調しました。

韓国政府は現在、カンボジア当局との連携を強化し、被害者の救出作戦や犯罪組織の摘発に乗り出しています。また、渡航前に危険性を認識できるよう、SNSなどを通じた注意喚起も強化しています。

私たちにできること~危機意識の共有

この問題は決して韓国だけのものではありません。日本でも「海外での高収入アルバイト」を謳い、東南アジアなどに若者を誘い出す手口は後を絶ちません。実際に日本人がカンボジアやミャンマーなどで監禁され、詐欺の実行役にさせられる事件も発生しています。

「簡単に高収入が得られる」という言葉には常に警戒心を持つことが重要です。特に海外での就職話には、必ずその企業や業務内容を入念に調べ、不審な点があればすぐに関係機関に相談しましょう。

カンボジアの地で行方不明となった80人の無事が一日も早く確認され、家族の元に戻れる日が来ることを願わずにはいられません。そしてこの問題が、国際的な犯罪ネットワークの脅威について改めて考えるきっかけとなることを願っています。

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