
「社長になりすまして送金させる」といったビジネスメール詐欺(BEC)が世間を騒がせてきましたが、詐欺の魔の手はさらに巧妙に、そして身近なところまで忍び寄っています。
今、新たに浮上しているのは、「見込み客を装う」という手口。 しかもその裏側では、普通の学生や主婦が「ポイ活」感覚で犯罪に加担させられているという、非常に根の深い問題が隠されています。
今回は、数百万円もの被害に遭った経営者の告白から、その卑劣な実態を紐解きます。
1. 「1回100万円」のセミナーに集まったのは、全員サクラだった
被害に遭ったのは、会社経営者であるAさん(40代)。SNSを通じてマーケティング代行会社「M社」から受けた提案が、悪夢の始まりでした。
- M社の甘い提案: 「当社の専属チームが、企業の決裁権者を集めた無料オンラインセミナーを開催します。そこでプレゼンすれば、大型契約に繋がります」
- 提示された“実績”: 「1回の開催で10数名の決裁者を集めた」「過去に10件以上の成約事例がある」という資料。HPには200社以上の取引実績。
ちょうど案件獲得を急いでいた高田さんは、1回100万円という高額な費用を支払い、サービスの導入を決めてしまいます。
違和感だらけのセミナー当日
セミナーには予告通り10数社の担当者が参加しました。しかし、結果は成約ゼロ。 不審に思ったAさんが参加者のリストを調べると、驚愕の事実が判明します。
「参加者全員が、企業のドメインではないフリーメールアドレスだったんです。顔出しもせず、住所も電話番号もわからない。弁護士を通じて確認のメールを送っても、返信は1件もありませんでした」
そう、参加者は全員、「企業担当者のフリをしたサクラ」だったのです。
2. 「ポイ活」の皮を被った「闇バイト」の恐怖
この詐欺の最も恐ろしい点は、参加しているサクラたちが「自分は犯罪に加担している」という自覚が薄いまま動員されている可能性があることです。
その入り口となっているのが、ネットで手軽にお小遣いを稼ぐ「ポイ活」です。
- 手口: 運営会社がポイ活サイトなどを通じ、「特定の企業の社員になりすましてセミナーに参加すればポイント(報酬)を付与する」と募集。
- 参加者の属性: 隙間時間にお金を稼ぎたい学生や主婦など。
これらは、SNSで強盗や運び屋を募集する「闇バイト」と構造は同じです。「嘘をついて誰かを騙し、その対価として報酬を得る」。たとえ本人が「気軽なアルバイト」だと思っていても、法的には詐欺罪の共同正犯や幇助に問われる可能性がある極めて危険な行為です。
3. 「知らなかった」では済まされない。逮捕者が出ている現実
2024年には、SNS型投資詐欺グループの「打ち子(メッセージを送る役)」としてアルバイト感覚で働いていた100人以上が逮捕されました。
今回の「なりすましセミナー」も同様です。
- 架空の社名を名乗る。
- 偽名を使ってセミナーに参加する。
- それによって企業から金を騙し取る手助けをする。
これらは立派な犯罪行為です。M社のような悪質業者が逮捕されれば、その指示に従ったサクラたちも捜査の対象となります。「ちょっとお小遣いが欲しかっただけ」という言い訳は、警察には通用しません。
4. 私たちが身を守るためにできること
経営者・ビジネスマンの方へ
- 「実績」を鵜呑みにしない: HPの数字や資料はいくらでも偽造できます。
- ドメインチェック: 申し込み段階でフリーメールアドレスばかりの場合は、即座に警戒してください。
- 契約前のリサーチ: その代行会社が実際に支援したという「実名企業」にヒアリングを行うなどの防衛策が必要です。
お小遣い稼ぎを探している方へ
- 「嘘をつく仕事」は100%詐欺: 自分の属性を偽る、他人のフリをする。そうした指示がある仕事には絶対に関わらないでください。
- 個人情報の流出に注意: 登録時に教えた免許証などの情報が、後に「バラされたくなければ続けろ」という脅しに使われることもあります。
最後に:もし心当たりがあるなら
「もしかして、自分がやっていることは詐欺の手伝いかも?」と不安になった方は、すぐに手を引き、**警察相談専用電話「#9110」**へ相談してください。
Aさんのように、泣き寝入りせず声をあげる経営者が増えることで、新たな被害者、そして知らぬ間に加害者になってしまう人を減らすことができます。
Let’s redoing!
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