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先日、テレビなどでも大きく報じられた、三菱UFJ銀行の元行員による巨額盗難事件。裁判の被告人質問で明らかになったのは、「100人くらいからの合わせて17から18億円分に手を付けてしまった」という驚愕の事実でした。単なるミスや軽い不正ではなく、とてつもない規模の犯行に、ただただ言葉を失います。

■ 事件の概要と被告の供述
46歳の元行員、山崎由香理被告は、勤務先の貸金庫から約3億3000万円相当の金塊と現金6000万円を盗んだ罪に問われています。彼女は起訴内容を認めた上で、その総額が実は18億円近くに上ること、そしてその動機が「FXや競馬で出た損失の穴埋め」であったことを明かしました。最後には「お客様の大切なものに大変なことをしてしまった」と謝罪したといいますが、もはや謝罪で済むような金額ではありません。

■ なぜこれほどの巨額を盗むことができたのか?
ここで最も大きな疑問が浮かびます。なぜ、これほどの長期間にわたり、これほどの巨額の不正が発覚しなかったのでしょうか?
銀行の貸金庫は、顧客が最も信頼を寄せる資産管理の聖域です。その内部管理体制は、当然ながら多重のチェック機能が働いているはずです。しかし、この事件は、その「はず」 が幻想でしかなかったことを暴露しました。

考えられる要因はいくつかあります。

  • 個人への過度な権限集中: おそらく、彼女一人にのみ管理が任され、他の行員が定期的に実態を確認する仕組みが機能していなかったのでしょう。
  • 預かっているもの」の把握不足: 貸金庫内の現金や金塊は、銀行自身の資産ではなく、顧客の資産です。銀行の帳簿上には現金として計上されないため、内部監査の目が行き届きにくいという盲点があった可能性があります。
  • 「信頼」に基づく業務の甘さ: 長年勤め、信頼を得ている行員であればこそ、チェックがおろそかになりがちです。人的なミスや不正を防ぐには、人が人を「信頼」するだけでは不十分で、システム的な防壁が必要なのです。

■ 顧客の信頼は地に堕ちた
被害に遭われた100人近い顧客の無念さはいかばかりかと想像すると胸が痛みます。貸金庫を借りるのは、現金や貴金属、大切な証書など、「銀行にしか預けられない」最重要な資産を預けているからに他なりません。その絶対的な信頼が、まさか内部の行員によって裏切られるとは。銀行業の根幹を揺るがす、非常に深刻な事件です。

■ 私たちはこの事件から何を学ぶべきか?
この事件は、金融機関に対する過信の危険性を如実に示しています。「大きな銀行だから絶対大丈夫」という神話は、もはや通用しません。

  • 金融機関選びの基準: 預金の安全性はもちろん、資産を預ける際には、その機関の内部統制の堅牢さ不祥事の歴史も重要な選択基準にするべき時代なのかもしれません。
  • 資産管理の分散: 全ての資産を一つの金融機関、一つの貸金庫に集中させることのリスクを認識すべきです。「タンス預金」を推奨するわけではありませんが、資産の分散管理は基本的なリスクヘッジの一つです。
  • 定期的な確認の重要性: 貸金庫を利用している方は、この事件を他人事と思わず、ご自身で定期的に中身を確認することを強くお勧めします。当たり前のようで、つい後回しにしがちなことですが、これが唯一の自己防衛手段です。

最終的には、このような事件が二度と起きないことを願うばかりです。そして、金融機関には、顧客の信頼を回復するために、管理体制の徹底的な見直しと、再発防止への不断の努力を強く求めたいと思います。

Let’s redoing!

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