
特殊詐欺の手口がまた進化しています。銀行やコンビニでは「電話しながらATMを操作している人」への声かけが当たり前になり、実際に多くの被害を防いできました。
しかし、犯人側もその対策を把握し、すり抜けるための新たな方法を考え始めています。
最近明らかになったケースでは、「イヤホンを使わせる」という巧妙な指示が被害者に与えられていました。警察は、電話中であることを周囲に気づかれないようにする狙いがあったとみています。
■ 事件の概要:神戸市北区で起きた新たな特殊詐欺
11月27日午前、神戸市北区に住む51歳の女性のもとへ、“銀行員”を名乗る男から電話がかかってきました。
「重要書類を送ったが、期限が過ぎている」
「至急手続きが必要だ」
もっともらしい言葉で不安を煽りつつ、女性を金融機関へ誘導。女性は男に指示されるまま、北区内のATMを3か所回り、最終的に約256万円もの大金を送金してしまいました。
■ ATM前で並んでいる客を伝えると…「イヤホンが必要です」
事件をより深刻にしているのは、犯人側が“対策の穴”を突いてきた点です。
女性が「ATM前に人が並んでいる」と状況を伝えると、電話の男はこう言いました。
「イヤホンが必要です。買ってきてください」
イヤホンを装着していれば、周囲からは電話中に見えません。
つまり、金融機関やコンビニが実施している「通話しながらATM操作している人への声かけ」を避けるための指示だったというわけです。
女性は言われた通り近くでイヤホンを購入し、携帯につないだ状態で会話を続けながら操作。犯人は電話越しに細かく誘導し、女性はそのまま送金してしまいました。
■ 声かけ対策は効果的だった、それを逆手に取る犯人たち
警察によると、ATMでの声かけは特殊詐欺を防ぐ上で極めて効果が高く、実際に多くの水際阻止につながっています。
しかし、犯罪グループもその事実を十分理解しています。
だからこそ、
- イヤホンで通話を隠す
- あえて人の多いATMへ誘導する
といった作戦をとることで、「周囲から不自然に見えない状況」を作り出してきているのです。
対策が進むたび、犯人側も新しい手口を生む——まさにイタチごっこです。
■ 被害を防ぐためには:絶対に覚えておいてほしいポイント
今回のケースを踏まえたうえで、被害に遭わないためのポイントを改めてまとめます。
◎ ATMの操作を電話で指示してくる相手は100%詐欺
銀行員・市役所・警察などが電話でATM操作を指示することは絶対にありません。
◎ イヤホンを買わせるなど、“準備”をさせるのは高度な詐欺の兆候
「通話していることを他人に悟られたくない」——犯人側の狙いが明らかです。
◎ 不安を煽る言葉を使われたら、一度電話を切って家族や公的機関に相談を
犯人は“急がせる”“今やらないと大変なことになる”という心理操作を多用します。
■ もし周囲で“電話しながらATMに向かう人”を見かけたら…
金融機関や店舗のスタッフだけでなく、周囲にいる一般の人が声をかけることで救えるケースも増えています。
「その電話、大丈夫ですか?」
この一言が、数百万円、場合によっては人生を救うこともあります。
◆ まとめ:特殊詐欺の手口は進化する。だからこそ、情報を共有することが大切
今回の「イヤホン型すり抜け作戦」は、特殊詐欺の巧妙化を象徴する事例です。
しかし、手口がどれほど進化しようとも、正しい知識さえあれば被害を防ぐことはできます。
- 電話でのATM操作は絶対に行わない
- イヤホンでの誘導も詐欺のサイン
- 少しでも疑ったら電話を切る
大切なのは、家族・友人・地域でこうした情報を共有し、「おかしい」と気づける環境づくりです。
詐欺師が新たな手を考えるたびに、私たちも最新情報を知り、備える必要があります。
これ以上被害者を出さないためにも、ぜひ周りの方にも知らせてください。
Let’s redoing!
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