
想定外の人生、想定外の求職活動
今日もまた、就職の面接に行ってきた。50代も半ばを過ぎると、求人サイトに掲載されている「年齢不問」の文字がどこまでも虚しく感じられる。それでも、生きていくためには働かざるを得ない。
詐欺被害に遭う直前、私は仕事を辞めていた。少しの蓄えがあり、ゆっくり次の人生を考えようと思っていた矢先のことだった。あの日、すべてが変わった。電話一本、そして巧妙に仕組まれた言葉の罠。気がついたときには、大切な資産のほとんどが消えていた。
人生計画は大きく狂わされ、今は「定年後のんびり」どころか、日々の求人サイトとにらめっこの日々だ。
面接会場で感じた「年齢の壁」
今日の面接は予約制で、私の番号の前は20代前半の女性、後ろは30代前半の男性だった。彼らの履歴書には「将来のキャリアビジョン」がきらきらと書かれている。一方、私の履歴書には「長年の経験」と「即戦力」をアピールしたが、採用側の目には「この年齢でどう使うか」という計算が透けて見えるようで、胸が苦しくなる。
面接官の表情は優しかったが、質問の端々に「この年代で本当に続けられますか?」というニュアンスがにじんでいた。もちろん、口には出さない。でも、空気でわかる。
「また明日から、新しい求人を探さないと……」
電車の窓に映る自分の顔が、ふと老けて見えた。
詐欺被害はお金だけではなく「時間」も奪う
詐欺の怖さは、お金を奪われるだけではない。
「時間」 という、二度と取り戻せないものを根こそぎ持っていかれることだ。
あの日から、私は毎日のように失った金額を計算してしまう。
「あの時、あの電話に出なければ……」
「あの時、もっと疑えば……」
何度も頭をよぎり、夜中に目が覚めることさえある。
そして、一番悔しいのは、「普通に働いていれば、こんな苦労はしなかったのに」 という後悔だ。
詐欺グループは、私の人生の選択肢を、あの瞬間に狭めてしまった。
加害者に問いたい。「良心はないのか?」
面接帰りの電車で、ふと考えた。
「詐欺を働く人たちに、人の心や良心というものはないのだろうか?」
彼らは、高齢者や弱者を狙い、人生を狂わせることに何のためらいもないのか?
私のように、必死で這い上がろうとする人間の苦しみを、想像したことがあるのか?
おそらく、ないのだろう。
もし良心があるなら、あのような犯罪はできない。
それでも、前に進むしかない
詐欺被害に遭って、わかったことがある。
「人生、何が起こるかわからない」 ということだ。
想定外のことが起きても、生きていくしかない。
今日の面接でダメでも、明日また新しい求人を探す。
50代半ばでも、働ける場所はきっとある。
詐欺グループに負けたくない。
彼らに奪われたものは返ってこないが、少なくとも、これからの時間は自分で守る。
「次は大丈夫」 と、自分に言い聞かせながら、
明日もまた、求人サイトを開いてみようと思います。
Let’s redoing!
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