最近、あなたの周りでも「＋」から始まる海外からの電話が増えていませんか？「着信があっても無視している」という方も多いでしょう。しかし、この現象の背後には、深刻な特殊詐欺の問題が潜んでいます。
京都府警が公表した最新のデータによると、特殊詐欺被害の犯行に利用された電話番号の実に約7割が「＋1」や「＋44」などから始まる国際電話を端緒としています。これはもはや他人事ではありません。
京都府警の対策とその効果
今年5月、京都府の西脇隆俊知事と府警の吉越清人本部長が連名で「国際電話利用休止作戦」という緊急メッセージを発出。10月20日までの約5ヶ月間にわたり、集中的な対策を実施しました。
主な取り組み：
- 毎月15日前後を「国際電話利用休止申込み支援強化デー」に設定
- 府内の銀行やスーパーマーケットなどに国際電話休止手続きの支援窓口を設置
- 警察官による防犯教室や巡回連絡を強化
その成果は？
- 国際電話の利用休止申し込み支援件数：約47,250件
- 予兆電話の認知件数：1～5月の約3,970件から6～9月は約2,590件に約1,400件減少
一見、成果が出ているように見えますが、課題も明らかになりました。
減らない被害額～ますます巧妙化する手口～
予兆電話の件数は減少したものの、特殊詐欺の被害額は過去最多ペースで発生し続けています。京都府内では9月末までに：
- 特殊詐欺認知件数：191件（昨年同期比で増加）
- 被害額：約16億4,300万円（昨年同期比で増加）
府警の高瀬道隆・特殊詐欺対策室長は「高齢者だけでなく、幅広い世代の方が被害に遭っている」と指摘。詐欺グループの手口が、年齢を問わず効果を発揮するように進化している実態が浮き彫りになっています。
なぜ「国際電話」が使われるのか？
国際電話が悪用される理由はいくつかあります：
- 発信元の特定が困難 – 海外からの電話は追跡が難しく、犯行グループにとって都合がいい
- 心理的効果 – 海外からの電話という非日常性で、相手の判断力を鈍らせる
- 技術的対策の不足 – 多くの人が国際電話に対する対策を講じていない
今日から始められる具体的な対策
固定電話をお持ちの方
国際電話からの着信休止手続きをしましょう：
- 各電話会社で無料で手続き可能
- 京都府内では、銀行やスーパーなどの支援窓口でも相談可
- 海外に知り合いがいる場合でも、SNSや通話アプリがある時代。国際電話はほぼ不要と言っていいでしょう
携帯電話をご利用の方
国際電話の着信拒否サービスを活用：
- 各キャリアで提供されている着信拒否サービスを設定
- スマホの機能で特定の prefix（＋など）からの電話をブロックするアプリも有効
どんな電話にも応じる基本姿勢
- 不審な電話には出ない（留守電機能で内容確認がおすすめ）
- 電話で個人情報や金銭の要求があれば、絶対に応じない
- 「大事な用事」「緊急の対応」を装う電話には特に注意
- 少しでも怪しいと感じたら、家族や警察に相談する
対策の効果と私たちの意識
京都府警の取り組みで明らかになったのは、対策を講じれば、確実に予兆電話は減るということ。しかし同時に、一度でも詐欺にかかれば、大きな被害につながるという現実もあります。
「私は大丈夫」という過信が最も危険です。特殊詐欺は、どんなに賢い人でも、適切な状況下では騙されてしまうように設計されています。
まとめ：社会全体で対策を
国際電話詐欺は、私たち一人ひとりの意識と対策で防ぐことができます。電話という日常的なツールを使った犯罪だからこそ、日常的な対策が有効です。
このブログを読んだ今日から：
- 国際電話の着信制限を設定する
- 家族や友人、特に高齢の親族にこの情報を共有する
- 不審な電話がかかってきたら、周囲に相談する習慣をつける
「＋」から始まる電話は、まずは疑ってかかる。この基本的な姿勢が、あなたとあなたの大切な人を守る第一歩になります。
Let’s redoing!
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