
最近、警察官を名乗るオレオレ詐欺のニュースをよく目にしますが、実はもっと深刻な被害額に発展しているのが「SNS型ロマンス詐欺」かもしれません。先日、山梨県昭和町で報告された60代男性の事例は、その手口の巧妙さと被害の大きさに衝撃が走ります。
たった一つのDMから始まった1625万円の被害
ことの始まりは、8月22日に届いた一通のダイレクトメッセージ。台湾人女性を名乗る人物から送られてきたメッセージに返信したことから、この男性の苦い体験がスタートしました。
無職の60代男性は、SNSでやり取りを重ねるうちに、この「女性」に次第に好意を抱くようになります。人間、誰しも孤独を感じる瞬間はあるもの。SNSの向こう側に、理解者を見出した気持ちになったのでしょう。
巧妙な心理操作のステップ
この詐欺の手口は、実に計算されていました。
第一段階:信頼構築
「台湾人女性」という異性の立場を利用し、時間をかけて関係を築きます。毎日の何気ない会話が、被害者の警戒心を解いていきます。
第二段階:成功体験の共有
「姉のアドバイスで暗号資産の取引をしていて、利益が出ている」という具体的で身近な成功談を提示。専門的な投資話ではなく、家族のアドバイスという親しみやすい形で投資話を持ちかけます。
第三段階:小さな投資からの誘導
男性が最初に送金した200万円は、いわば「つかみ」の金額。その後、取引サイト上に表示された「数日で10万ドルの利益」という嘘の情報で、さらに大きな投資へと誘導します。
第四段階:出口戦略の不存在
いよいよ出金しようとした段階で、「手数料」や「税金」という名目でさらに1425万円を要求。合計1625万円もの大金がだまし取られました。
なぜこんなにも被害が拡大してしまうのか?
この詐欺の恐ろしい点は、以下のような心理的トリックにあります:
- 感情的な繋がり:単なる投資詐欺ではなく、ロマンスという感情要素が絡むため、理性的な判断が鈍る
- 成功の可視化:偽の取引サイトで「利益」が明確に表示されるため、錯覚に陥りやすい
- 沈没コスト効果:すでに投資した金額を取り戻したいという心理が、追加投資へと駆り立てる
警察が指摘するSNS型ロマンス詐欺の特徴
警察はこの手の詐欺について、以下の特徴を挙げて注意を呼びかけています:
- 「面識のない相手からもうけ話を持ちかけられる」
- 「指定されたサイト上ですぐに利益が表示される」
- 「出金する際に手数料などで、さらに高額を要求される」
私たちができる対策は?
このような詐欺から身を守るために:
- SNS上の見知らぬ人物からの投資話は絶対に信じない
- 「絶対儲かる」話には必ず罠があると心得る
- 友人や家族に相談するクセをつける
- 不審に思ったらすぐに警察に相談する
この昭和町の事例は、SNSが当たり前になった現代ならではの詐欺の形を示しています。特に60代以上の方は、SNSに不慣れな反面、孤独を感じやすい年代でもあります。私たちは技術の進歩に追いつくだけでなく、それに伴う新たなリスクにも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
「もしかして?」と思ったら、それは詐欺のサインかもしれません。大切なのは、少しでも怪しいと感じたら、即座に行動を止める勇気を持つことです。
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