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「審査に合格しました」――その甘い言葉の罠

そんな巧妙な手口で、埼玉県の57歳パート女性が3790万円もの大金を失った。SNS型投資詐欺、その名の通り「プロフェッショナル」とも呼ぶべき手口の全貌を、私たちはどう受け止めるべきだろうか。

被害に遭った女性は、動画投稿アプリで目にした「著名投資家」の広告に引き寄せられた。「お薦めの銘柄を教えます。最初の2カ月は無料です」――リスクなしで始められるという安心感。そこから、メッセンジャーアプリへ誘導され、「アシスタント」と名乗る人たちのグループに参加。まるでVIP待遇のような感覚に、次第に心を開いていったのだろう。

そして送られてきたのは、「AI資産成長計画の審査に合格されました」というメッセージ。ここに、この詐欺の巧妙さが凝縮されている。「合格」という言葉は、私たちに「選ばれた」という特別感を与える。宝くじが「当たり」なら、これは「合格」。自分だけが手にできるチャンスのように思わせる心理操作だ。

「多く投入するほど利益も増えます」――エスカレートする投資話

さらに、「多く投入するほど利益も増えます」という言葉で、より多くの資金を投入するよう仕向けていく。これは、いわば「投資版・玉ねぎ理論」。最初は小さく始め、少しずつ金額を増やさせ、気づけば巨額を投じさせてしまう。女性は約2カ月の間に8回も送金を繰り返し、総額3790万円にまで膨れ上がった。

「新規上場株が当たった」――疑いを吹き飛ばす“小さな成功”

そして、もっとも狡猾だったのが、「新規上場株が当たった」という連絡を短い期間で2回送りつけてきた点だ。ここで女性はようやく疑いを持ち、110番したというが、この「当たった」という報告こそが、詐欺師たちの最終兵器だった。

「当たり」を体験すると、脳は一瞬で「これは本当かもしれない」と錯覚する。宝くじで1等が当たる確率は限りなく低くても、当選の知らせに誰しも一瞬は夢を見てしまう。それと同じ心理だ。詐欺師たちは、被害者が「もしかしたら……」という期待を捨てきれないことを熟知している。

私たちにできること――「特別なオファー」への冷静なまなざし

この詐欺事件から学ぶべきは、何よりも「特別感」や「合格」といった言葉に踊らされない冷静さだ。本当に儲かる話が、なぜ無料で、しかも不特定多数に広告されるのか。その矛盾に気づくことが第一歩である。

また、SNSやメッセンジャーアプリを通じた投資話は、ほぼ100%詐欺と考えて間違いない。公的な機関でない限り、安易にアプリをインストールしたり、送金したりするのは避けるべきだ。

被害に遭われた女性の精神的ショックは計り知れない。お金以上に、「騙された」という事実が心に深い傷を残す。こんな手口が「プロのやり口」と呼ばれる現実を、私たちはもっと深刻に受け止める必要がある。誰にもある欲求――その純粋な思いを、これほど残忍に利用する手口を詐欺のプロは利用します。

Let’s redoing!

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