「地面師」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか？「昔の話でしょ？」「ドラマの中だけの存在でしょ？」そう思った方、それは危険な思い違いかもしれません。
先日、警視庁が逮捕した64歳と59歳の男二人。彼らはまさに現代の「地面師」として、驚くべき手口で詐欺を働こうとしていました。
巧妙化する地面師の手口
彼らの手口はこうです。文京区白山にある約300平方メートルの土地とビル2棟——実際には80代の女性とその息子が所有する不動産を、まるで自分たちが所有者であるかのように装いました。
・偽造した不動産売買契約書
・偽造した健康保険証
・一方は「不動産仲介業者」、もう一方は「所有者の息子」を演じる
この完璧な役割分担で、10億4500万円もの物件取引において、手付金500万円をだまし取ろうとしたのです。
なぜバレたのか？現代ならではの「気づき」
しかし、ここに現代の地面師が直面する新たな壁があります。彼らは「実際の所有者との接触」と「物件の内覧」を頑なに拒否しました。この不自然な態度に不審を抱いた不動産会社の代表者が、直接、本当の所有者に会いに行ったことで、詐欺は未遂に終わりました。
インターネットや様々な情報ツールが発達した現代では、昔のように「書類だけ」の詐欺は難しくなっているのかもしれません。
地面師は過去の犯罪ではない
警視庁によれば、この二人は去年から別の土地取引トラブルでも関与が疑われていました。つまり、これは単発的な事件ではなく、組織的かつ継続的な犯罪活動だった可能性があります。
不動産取引で気をつけるべきポイント
この事件から学べることは何でしょうか？
- 所有者の直接確認：書類だけでなく、実際の所有者と直接会う機会を必ず設ける
- 内覧の実施：物件の実際の状態を確認する
- 不自然な断りに注意：接触や内覧を拒否される場合は、それだけで危険信号
- 複数の情報源での確認：一方的な情報だけで判断しない
終わりに
ネットフリックスのドラマ「地面師たち」が人気を博していますが、この事件は「地面師」が単なるエンターテインメントの題材ではなく、現実の脅威であることを思い知らせてくれました。
高額な不動産取引には常にリスクが伴います。昔ながらの詐欺師が現代の装いで現れている今、私たちも昔ながらの「慎重さ」と現代の「情報リテラシー」の両方を兼ね備える必要があるのではないでしょうか。
「まさか自分が」と思う前に——この事件を他人事ではなく、自分自身の身を守るための教訓として受け止めたいものです。
Let’s redoing!
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